<クリニャンクール>
1月8日月曜日、晴れ。パリの空の下で朝日を拝むのはとりあえずこの旅では今日が最後。いよいよ日本へ向けてのカウントダウンが始まった。
センチメンタルになっている暇はない。外国での憧れの時間の過ごし方は一体いつになったら出来るのだろう。
ホテルのラウンジでブレックファースト、午前10時のTea Time。。。お気に入りの本を広げてソファに座り、軽くお腹がすいたらランチタイムはサンドウィッチにフルーツを♪
出発までの時間、紅茶を片手に道行く人々を窓越しに眺める。早くパリの街でそんな余裕を見につけたいものだ。けれどこの街はなかなか私たちに静かな時間を
約束してくれない。何もかもが刺激に満ちているせいだ。そして私たちも長くはここにはいない。いつも時計とにらめっこしながらこの街を駆け抜けるんだ。
2度目のクリニャンクール。2度目の訪れで建物全体の雰囲気を理解した。2階建の建物。コンパクトなモールのようになっているんだね。初めての時には出会えなかった
階段のこの場所を帰国後何度本の中で見ただろう。今回、やっと来ることが出来た、憧れの階段。レースやお洋服を扱うショップ、古い書籍を扱う店、沢山のアンティークカードが
整然と並ぶ場所。沢山のディーラーが入っていた。
2度目の記念に花模様のアンティークカードを何枚か買った。素敵な家具もいっぱい見た。エンジェルやーローズのキャビネットも布張りのイスもそれはそれは美しかった。
こんな美しいものたちに囲まれながら日々の暮らしを彩ることが出来たらきっと毎日を優しい気持ちで過ごせそうな気がした。
パリは本当に遠い国なんだ。車でひとっとび出来ない距離感が本当にもどかしかった。
<エルベシャペリエのバッグ>
貴重な時間を買うにはこの方法しかない。メトロの乗り場も乗り継ぎの方法もすでに頭の中にインプットされている。けれど予定通りに運ばない計画に
私たちは手段を選ばないことにした。とにかく時間が欲しい。次はいつこれるかわからない場所になるべくなら思いを残したくはなかった。できるだけのことはして帰るんだ。
それが少々詰め込みすぎでも。ぼ〜っとしているよりはずっといい。まだパリでお茶やランチに時間を費やせるほどこの街を知ってはいない。まだ見たい場所、行きたい場所、
知りたいことは山ほどあるんだ。ゆきかうタクシーに向かって大きく手を上げる。この街で生まれたこの街の空気が漂う土産をもっと欲しかった。その場所を目指してタクシーは進む。クリニャンクールから程近い場所、多分車でなら。目的地の<エルベシャペリエ>の前に着いた。思い出に大きなPINKのトートバッグを買った。
今度来るときはこのバッグを持ってゆっくりとこの街を歩きたい。そんな思いを込めて大きな包みを抱きしめた。。。
<ギャラリーラファイエット>
エルベシャペリエまで運んでくれたドライバーを偶然見つけて、次なる目的地の場所を告げる。オットにとって初めてのパリのデパート。中央が大きく吹き抜けになっていて、各階から1930年代スタイルのドーム型天井がのぞめる華麗な建物。華やかな雰囲気に包まれたそこはまるで美術館。いまだかつてこんな美しいデパートは見たことない。
私たちはいつまでも空に近いその場所を見上げていた。。。
さぁ、時間だ!バスの待っているあの場所まで戻らなければいけない。パリ最後の印象を限りなく美しいこの場所で飾って。華やかなこの場所に強く心を残して。
次に訪れる時にはこのデパートからにしようか。ちょっぴり上等なパリのお土産を探しながら。。。